優秀な営業マンが辞める理由と解決策

優秀な営業マンが辞めていく理由

「創業期からいる優秀な営業が突然、退職を申し出てきたんです…」

このような悩みを抱える会社は多いです。

売上は良いのに、なぜか優秀な人材が次々と辞めていく。これは多くの成長中の会社が直面する問題です。

営業職の離職率は普通でも年間15〜20%と高いですが、急成長している会社ではさらに高くなります。

このような人材の流出は会社の成長を妨げます。

「数字だけを追う経営」の問題点

ある営業マンはこう言っています。

「毎月のノルマに追われて、お客様と深い関係を築く時間がないんです」

これが問題の本質です。

成長を急ぐあまり、営業の本来の価値が見失われているのです。

多くの上司は「数字で結果を出せ」とプレッシャーをかけますが、優秀な営業マンは「数字を追う人」ではなく「顧客の問題を解決する人」なのです。

優秀な営業マンが辞める3つの理由

なぜ優秀な営業マンが辞めていくのか、主な理由は3つあります:

1. 時間の使い方が変わる

ベテラン営業マンは昇進すると、新人の教育に時間を取られます。

その結果、本来の強みである「顧客との関係づくり」に使える時間が減ります。

事務作業も増え、顧客と話す時間はさらに減っていきます。

2. プレッシャーが増える

ベテラン営業は自分の売上ノルマだけでなく、部下や部門全体の目標まで背負うことになります。このプレッシャーはとても大きな負担です。

特に期末には、このプレッシャーが最大になります。会社からの期待も高くなり、プレッシャーに押しつぶされそうになります。

3. やりがいが減る

営業の本当の楽しさは「お客さんの問題を解決する喜び」や「信頼関係を築く充実感」です。

でも数字ばかり追うと、これらが二の次になります。

また、部下の管理や社内の調整に時間を取られ、「自分で結果を出す」という達成感も得にくくなります。

解決策:「顧客価値共有会」で離職率を減らした会社の例

あるWeb制作会社がこの問題を上手く解決した例があります。

この会社は月に一度「顧客価値共有会」というミーティングを始めました。

これは単なる数字の報告会ではなく、お客さんとの関係づくりで工夫していることを共有する場です。

「顧客価値共有会」でやっていること

このミーティングでは次のようなことをしています

  • お客さんの声を共有: 数字だけでなく、お客さんからの感想や意見を共有
  • 成功事例の発表: お客さんの問題解決に成功した例を発表
  • みんなで話し合い: チーム全体で「どうすればお客さんにもっと喜んでもらえるか」を話し合う

結果はどうなった?

この取り組みにより、営業チームには良い変化が起きました:

  • 本来の目的を思い出す: 「お客さんの成功を手伝う」という営業の本当の目的を再確認
  • 知識の共有: チーム内で知恵や経験を共有し、みんなのスキルアップにつながった
  • 若手の成長: 数字だけでなく「お客さんとの関係づくり」のコツが共有され、若手も成長

この会社では「顧客価値共有会」を始めてから1年で、営業部門の辞める人の割合が28%から8%に減り、お客さんの満足度も大きく上がりました。

大切なのは「数字」と「価値」のバランス

大事なのは「数字」だけでなく「価値」も共有すること。

これが優秀な人材が辞めるのを防ぐ第一歩です。

多くの会社では売上などの数字ばかりを重視しますが、「なぜその数字を追うのか」「お客さんにどんな価値を提供できたか」という本質的な部分を共有することが大切です。

あなたの会社でもできる「顧客価値共有」3つのステップ

あなたの会社でも優秀な社員の退職が気になるなら、次の3つのステップから始めてみましょう:

1. 月1回の「顧客価値共有会」を始める

  • 形式は簡単でOK、まずは30分から始める
  • 数字の報告は短く、成功事例や工夫を中心に話す
  • リモートワークの人も参加できるようにオンラインも活用

2. 売上以外の成功指標も作る

  • お客さん満足度
  • 契約の継続率
  • お客さんからの紹介件数
  • 問題解決の件数

これらの「数字以外の成功」も見える化して、チーム全体で共有しましょう。

3. 営業の評価に「お客さんへの価値提供」も入れる

  • 評価にお客さんからの感想も取り入れる
  • お客さんの問題解決事例を記録する
  • 「数字」と「価値提供」をバランスよく評価する

優秀な人材は「稼ぐこと」だけでなく「意味のある仕事をすること」にもやりがいを感じています。本来の仕事の価値を確認できる場を作れば、人材の定着と組織の強化の両方ができます。

会社全体への広げ方:部門を超えた「価値共有」

この「価値共有」の考え方は営業部門だけでなく、開発チームやお客さん対応チームなど、どの部門でも使えます。

会社全体で「数字」と「価値」のバランスを見直すことで、会社の文化自体を変えることができます。

以下のような取り組みも効果的です

  • 部門をまたいだ共有会: 違う部門が集まり、それぞれの視点からお客さんの価値について話し合う
  • お客さんの成功物語の共有: お客さんの成功事例を会社全体で共有する
  • お客さんと直接話す機会: 実際のお客さんを招いて直接意見をもらう機会を作る

まとめ:数字より先に価値を共有しよう

優秀な営業マンが辞めてしまう問題の原因は、「数字ばかりの経営」と「本来の価値の軽視」です。

この問題を解決するには、会社の中でお客さんに提供する価値を共有し、認め合う文化を作ることが大切です。

「顧客価値共有会」のような具体的な取り組みで、営業チームのやる気を高め、辞める人を減らしましょう。

そして「数字だけ追う組織」ではなく「価値を生み出す組織」へと変わっていくことが、長く成長し続けるためのカギとなります。

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